脳疾患に関するPETドック

PETとはポジトロン放出核種であり、標識された薬剤を投与し、それが体内でどのように分布していくかをPETスキャナーで撮影することで病変部を見極めていく検査である。使用するリガンドを変えることによって脳血流・酸素代謝・ブドウ糖代謝・神経伝達機能等など様々な用途に対して用いられる。中でもフルオロデオキシグルコースを用いたPETはアルツハイマー病をはじめとする認知症疾患の早期に生じる脳内ブドウ糖代謝の低下を捉えることが出来る為、大変有効だといえる。しかしながら、高度な診断能力をもってしても健康保険の適応には至っていないのが現状である。PETを脳ドックに用いる意義は決して小さくないと言え、今後より身近な検査になることが望まれる。
このPETを用いた脳ドックにおける検査対象は、認知症の発症リスクが高くなるとされる65歳以上の人若しくは遺伝性認知症疾患の家族歴を有する人などである。PET画像は非常に有用であるものの、それ単体では診断確定を行えないケースもある為、神経診察・MRIなどの結果も加味して総合的な判断をすることが好ましいといえるだろう。
これらの検査によって脳血管障害や脳腫瘍と診断がなされた場合には、脳ドックのガイドラインに則り、必要に応じて神経内科や脳神経外科などの専門医に相談するようにする。加えて、認知症と診断された場合も、早めの専門機関の受診を推奨したいものである。その中でも特に注意すべきは、PETで認知症疾患を示唆する所見があったにも関わらず臨床症状が無いケースである。この場合は極めて慎重に対応する必要があるだろう。なお、認知症の前段階が疑われている場合には、アミロイド・タウPET・髄液Aβなどのバイオマーカーの測定が可能な医療機関に相談するというのも一つ手であろう。

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